「もしあと3週間で、自分の人生が終わると知ったら、何をしますか？」
そんな問いかけを、真正面から投げかけてくる映画があります。
それが、クイーン・ラティファ主演の映画『ラスト・ホリデイ』です。
この映画は、日々の仕事に追われる人、なかなか行動に踏み出せない人、人に優しくなりたいと願う人、そして一歩を踏み出す勇気を持ちたい人に、心からおすすめしたい作品です。
Contents
地味で平凡な主人公が教えてくれる「本当の豊かさ」
物語の主人公、ジョージアは大手デパートの調理器具売り場で働くごく普通の女性。控えめで真面目で、まさに「よくいる市民」といった感じです。
そんな彼女が、ある日突然、余命わずかと診断されてしまいます。
—「死ぬ前に、やり残したことを全部やる」—
この決意から、彼女の人生は180度転換。長年貯めていた貯金をすべて使い、夢だった高級リゾート地での“ラスト・ホリデイ”をスタートさせるのです。
行動することで人生は変わる
この映画を観ていて一番心を動かされたのは、ジョージアの「行動する勇気」でした。
これまで我慢していたオシャレ、食べたいもの、泊まりたいホテル、そして自分の気持ちを伝えること。彼女は、すべてをやり遂げていきます。
それはただの「やけくそ」ではありません。むしろ、初めて自分の人生をしっかりと生きようとしている、前向きで力強い行動でした。
観ているこちらも、「いつか」と言っていたことに一歩踏み出してみようと思えてくるのです。
— 行動することは怖い。でも、やってみる価値がある —
そんなメッセージが、心にまっすぐ届いてきました。
優しさは人を変える力がある
ジョージアが本当に魅力的なのは、その“優しさ”です。
彼女は、自分の残りの時間を「贅沢を楽しむため」だけでなく、「人のために使う」選択をしていきます。
ホテルの従業員に心を配り、同席したセレブにも忖度せず正直な言葉を届け、そして周囲の人たちの心を少しずつ溶かしていく。
気づけば、彼女の優しさが周囲の人々の生き方まで変えていくのです。
この映画を観ると、人に優しくしたいという気持ちが自然と湧いてきます。
「あの人に声をかけてみよう」「ありがとうを伝えよう」そんな小さな一歩が、自分と誰かの人生を明るく照らすかもしれません。
食と人生の豊かさ
そしてもうひとつ、忘れてはならない魅力が“料理”です。
ジョージアの夢は、料理本を出すこと。そして、かつて憧れた有名シェフの料理を食べること。
映画の中には、まさに“芸術”とも呼べるような美しい料理が次々と登場します。
思わず「おいしそう！」と声に出したくなる料理たちが、スクリーンいっぱいに広がり、観ているだけで「自分も料理したい！」という気持ちがむくむくと湧いてきます。
食べること＝生きること。
「美味しいものを食べる」「大切な人と食卓を囲む」そんな当たり前の幸せが、どれほど尊いことかを思い出させてくれるのです。
笑って、泣いて、スカッとする。「天使になるソング」みたいな映画
『ラスト・ホリデイ』には、人生の切なさも描かれてはいますが、終始ポジティブで明るい空気に包まれています。
ジョージアの人柄や行動は、観ていて気持ちが良く、観終わった後には「自分も誰かに優しくなりたい」と思わせてくれます。
どこか、映画『天使にラブソングを（原題：Sister Act）』を彷彿とさせる“痛快さ”や“笑い”もあり、「観て良かった！」と心から思える作品です。
『ラスト・ホリデイ』が教えてくれたこと
この映画を観て、私は「人生を先延ばしにしすぎていたな」と思いました。
- やりたいことを、いつか…と後回しにしていた
- 周囲に遠慮して、自分の気持ちを言えなかった
- 忙しさを理由に、人に優しくする余裕をなくしていた
でも、「人生の終わり」が見えたとき、人は“本当に大切なもの”に気づくのかもしれません。
この映画は、その「気づき」を与えてくれます。
そして、「気づいたなら、今すぐ始めてみよう」と、背中を押してくれるのです。
最後に
『ラスト・ホリデイ』は、気負わず観られて、でも心にしっかり残る映画です。
仕事に疲れた夜、自分に自信が持てないとき、人との関わり方に迷ったとき。
そんなタイミングで観てほしい1本です。
観終わったあなたの中に、きっと「優しさ」と「勇気」と「行動する力」が芽生えるはず。そしてその小さな変化が、あなたの人生を大きく変えていくかもしれません。